2017年2月16日木曜日

ACL(全十字靭帯)断裂のお話 その2


MRIの撮影から1週間。
担当の外科医の診察の日、きっと靭帯が切れているんだろうなあ、と諦めの気持ちと、いや、かろうじて繋がっていて手術はしなくてもいいんじゃないかなあ、と期待の気持ちの半々で病院に向かいました。とは言っても、怪我をしてから2週間が経過して、松葉杖無しでかろうじて歩けるレベル。少し足が動かせるようになったとは言え、まだまだ曲げ伸ばしはぎこちなく、普通の人が歩く速度にはなかなか追いつけず、軽い怪我だったら、もう少し回復が早くていいんじゃないかと思えました。

ドキドキの気持ちで、病院の受付窓口で手続きを済ませ、診察室に入ると、担当の外科医(名前はDr.Pijnenbruk、日本の有名なスポーツ選手を診たこともある優秀な先生、だそうです。)に撮影写真を見せてもらいました。
素人の私が見ても、さっぱりわからない筋がいっぱいの写真でしたが、
「はい、ACLが切れてます。」と、キッパリ。
え!じゃあ、、、、
「手術、いつにする?」
まじでーー。やっぱり。。。

前十字靭帯が断裂してしまった場合、そのまま放置しておいても元には戻らないんですね。スポーツに復帰することなく、日以上生活をするだけであれば、保存療法の選択もありますが、その状態で運動を続けると、膝崩れが起きて、膝の皿が負傷してしまい、将来慢性的な膝の痛みに悩まされると聞いていたので、もう、私には手術しか道はないのだと、病院に来る前から覚悟はできていました。

なので、手術と言われても、腹をくくってやるしかない、と前向きな気持ちでいましたが、膝の腫れが取れて、曲げ伸ばしが完全に出来るようになるまで手術は出来ないといわれました。そうなるのはあと2週間ぐらいだそうで。

そして、手術を始める前には、膝の筋肉をしっかりつけておくように言われました。怪我をしてから動かなくなった膝は、たった2週間という時間で、あっという間に細ってしまったのです。そのためには自己流ではなく、きちんと理学療法士に診てもらうのがよいそうで、先生から一枚の名刺を渡され、そこには「Karel Muns」と名前がありました。
周りのフットサル仲間には腕の良い理学療法士に診てもらうのが良いとアドバイスをもらっていましたが、右も左も分からない私に選択の余地はなく、すぐさまTELをして、2日後のアポを取ることに成功。

訪れたKarel Muns、現れた担当者は若い青年。金髪で青い目をした典型的なオランダ人。名前はニルス。足のケガの状態を確認してから、曲げ伸ばしの運動をしました。スクワットをしたり、ゴムボールの上でバランスを取りながらキャッチボールをしたり。もちろん日本語は通じないので、会話は英語で。運動に関する英語はあまり知らないので、なかなか思っていることをうまく話ができず、時々曖昧な理解で進めてしまうけど、段々話していることも分かるようになってきました。
 
ニルスのトレーニングは週に1回のペースで続き、その一方、手術の日を決める時がやってきました。怪我をしたこのときは、家族ままだオランダに来ていなかったので一人暮らしでした。手術には、自宅から病院の往復を自分で手配しないといけないことを考えると、術後動かなくなった足でどうやって家に帰るのか、そして家に帰ってから毎日の生活をどうするのか。右足が動かないので、車も運転できないし。。

色々考えた結果、家族がやってきてから手術をした方がいいと考えて、手術は720日に決まりました。人生初めての外科手術、映画の世界が現実に。しかし、手術という重い言葉とは裏腹に、オランダ医療は意外にもあっさりとした対応でして、、、

腫れた右足

                                                                              その3につづく。

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